親指シフトで快適に日本語入力

投稿者:しんさん        2016/03/26

親指シフトで快適に日本語入力

キーボードで日本語を入力する時、ほとんどの方はローマ字入力をしているかと思います。

私ももともとローマ字入力を使っていたのですが思うところがあって親指シフト入力に切り替えました。そのことについて記事にしたいと思います。

親指シフト入力に変えた理由

いくつかの理由や要因があって、親指シフト入力に移行したのでそれらについて記載します。

指を痛めた

私は趣味で楽器を演奏するのですが、

  • 手が小さい
  • 指が短い
  • 握力が弱い

といった「楽器演奏に向かない」性質を兼ね持っています。

特にベースなどは弦も太くスケールも長いので、力がいります。

優れた演奏者になればなるほど、余計な力が抜けていわゆる筋力などに頼らなくなるのは理解しています。

私が一番得意としているのはドラムの演奏なのですが、ドラムにおいても筋力というのはさほど重要な要素ではありません。

しかし、私が優れた弦楽器奏者じゃないという理由もあって、指が腱鞘炎のような症状になることが多くなってきました。

職業がSEということもあり職業上も指を酷使するため、指の痛みに対して何かしら対策を立てる必要がありました。

そのためにはキーボード入力における打鍵数を減らすことがまずは有効だろうと考え、入力数が少なくてすむ親指シフトに魅力を感じました

椎名誠氏の講演を聞いて興味をもった

これは親指シフトを始めたタイミングよりずっと前のできごとになるのですが、椎名誠さんの講演を縁があって聞く機会がありました。

正直な話、特に椎名さんのファンというわけでもなかったので単純に暇つぶしのような気持ちで講演に望んだのですが、やはり作家さんだけあって話題も面白く予想していたよりもずっと楽しむことができました。

その時に聞いた話題の中に親指シフトの話題がありました。

  • 話すように打つことができる
  • 思考を阻害せずにテキストにできる

といった趣旨のことをおっしゃっていたように思います。

それを聞いてから、ずっと心の片隅で親指シフトことが気になっていたのですね。「指の痛みをなんとか軽減する」事を考えた時に最初に思いついたのが親指シフトだったのはそのせいで。

親指シフト入力のメリット・デメリット

メリット

親指シフトについてよく「打鍵速度が上がる」ということが一番のメリットとして上がっていることが多いですが、親指シフトの本質的な魅力は別のところにあると体感しています。

思考を阻害せずに打てる

ここが一番のメリットだなと思っています。
親指シフトに限らず、なんらかの「かな入力」を習得した人にしか理解しにくいポイントなのかもしれませんが、ローマ字入力をする時には無意識的に文章をローマ字化するステップが挟まります。

例えば
「こんにちは」
だった
”konnichiha”
という形で、頭のなかでスペリングに直しているわけです。

例えば「ん」を打つとき

  • 次が母音なら二回Nを押さないといけない
  • 次が子音ならNは一回で良い

といったことに、無意識的に頭のリソースを取られているのです。

あたり前のようにやっていることなので、やめてみるまでなかなか気づかない部分です。

そして、親指シフトだとこのステップが必要なくなります

拗音撥音といったものを除けば、一つの音に対して一回のアクションで入力することができるので、頭のなかで言葉の音と動きがリンクしているような感覚で打鍵することができます。これは非常にリズミカルで気持ちが良いです。

例えば楽器を弾くにしても、発音のタイミングと動きが大きくズレていたら気持ちが悪いものです。

指への負担が少ない

ここはあまり一般的な要因ではなく私にとってのメリットですが、指を動かす回数が少なくて済むので指の疲れが少なくなくて済みます。

打鍵回数が少ないのですから当然というのもありますし、日本語を打つ上でよく使う文字を楽に打てるようにということを考慮して配列が作られた背景があります。これらの負荷の低さを身を持って体感しました。

デメリット

メリットにいしてたくさん書いてきましたが、デメリットも少なからず存在します。

対応できるキーボードが多くない

親指シフトの性質上、右左に独立した親指用のシフトキーが必要になります。

正確には私が使用しているのは親指シフト配列ではなくてNICOLA配列になるのですが、左のシフトキーにスペースを、右のシフトキーに変換キーを当てています。

この場合、スペースキーが小さく変換キーがなるべく真ん中に位置していることが親指シフトにとって望ましい状態です。

たまにある、スペースキーがやたらと横に長いキーボードでは親指シフトが非現実的なものになります。
ましてや英語キーボードではおそらく親指シフトは不可能でしょう。

また、打鍵の軽さも重要になってきます。

親指シフトではキーのタッチが軽ければ軽いほど打ちやすいと感じます。

親指キーと他のキーを同時打鍵することが多いので、通常のローマ字打ちの時よりもキーの重さがシビアに効いてくるわけです。
(もとよりローマ字入力でも、キータッチが軽い方が負担が少ないのは同じですが。)

上記のような条件を満たすキーボードを探して入手してくる必要があります。
※これはノートPCを選ぶ時などに一番悩ましいポイントになりますね。

親指シフト専用のキーボードを購入するのが結果的には一番良いのかもしれません。

私は静電容量無接点方式のキーボードが好きなので

  • RealForce 91UBK
  • Happy Hacking Keyboard Professional JP

を自宅と職場で使い分けています。これらのキーボードは親指シフト関係なしにしても、高品質なのでおすすめですね。

安価なキーボードのなかでは下記リンクの「iBUFFALO ゲーミングキーボード」がおすすめです。私も保険で2つ所持しています。

これらのキーボードはローマ字打ちの同僚にも使ってみてもらいましたが、好感触でした。

入力環境をソフトウェアに頼る必要がある

ローマ字入力やかな入力はOSの標準の機能としてはじめから備わっていますが、親指シフト入力を実現するためにはサードパーティのソフトウェアを導入する必要があります。

もしその時代のOSに合わせたソフトウェアがいつか供給されなくなったらと思うと少しゾッとする部分もあります。

私は「やまぶきR」というフリーソフトを使っています。

この「やまぶきR」の拡張親指シフトについて以下の記事にまとめていますので、併せてご覧いただけたら嬉しいです。

まとめ

幸い2016年現在デメリットに書いた事柄は回避方法があり致命的な問題ではありませんが、将来のことを考えると少し不安を感じる部分は正直なところあります。

しかし、それを言ってしまえば、もしかすると腕や指を失う事態が将来発生しないとも言い切れません。

それはその時になって対応方針を決めて答えを出さなせればならないことであって、いまクヨクヨと悩むようなことでは無いと結論付けました。

将来を憂うよりも、今を快適に過ごすことのほうが優先順位が高いですよね。

そして、親指シフト入力を覚えてもローマ字打ちを忘れてしまうわけではありません。
切り替えに少し慣らし期間が必要ですが、今でもローマ字入力で日本語を打つことは可能です。

ですので、親指シフトに興味を持った方がいればとにかく一度始めてみることをおすすめします。

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